「買わない理由」を売上アップにつなげる店頭プロモーションとは

店頭プロモーションを考える際に、とにかく集客できれば売上につながるはず!と考えている方も多いのではないでしょうか。しかしどれだけ集客に力を入れても、売上が伸びずに困っているというお悩みは後を絶ちません。せっかくお店まで足を運んでくれたのにも関わらず、買わずに帰るお客様がいるからです。

 

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私たち博報堂プロダクツのリテールプロモーション事業本部では、「買わなかった人」へのアプローチが売上を上げる重要な要素であると考え、お客様の店内行動の観察を行い「買わなかった人マーケティング」を研究してきました。その導入事例など一部をご紹介します。

 

 

これまでのリアル店舗では「売れた商品」が重視されてきた。

 

生活者の購買行動に欠かせない「リアル店舗」と、近年存在感を高めてきている「ECサイト」。デジタルシフトが進む世の中の潮流に合わせて急速に普及してきた「ECサイト」は、ECユーザー(=サイト来訪者)の閲覧から購買までの導線をすべてデータとして蓄積し、次回の購買促進に活用できるという強みを活かして、市場拡大し続けています。

 

一方、今までリアル店舗の購買行動で把握できる情報は、「売上データ」のみでした。「売れた商品」しか把握できなかったため、売り場に立ち寄られたのに買われなかった商品はどんなものか、来店したのに何も買わずに退店したお客様に特徴はあるのかなど、「買わなかった」ことに関する状況がなかなか掴めなかったのです。

  

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「買わなかった人」の行動を可視化する次世代型店舗とは。

 

現在は来店から購買までのお客様の行動をカメラで計測することで、お客様がいつ来店して、どの売り場に立ち寄り、何を買ったのか・買わなかったのかを分析できるようになりました。リテールテクノロジーにより、リアル店舗での「買わなかったマーケティング」は進化しました。

 

カメラで明らかになることとしては、以下のようなことが挙げられます。

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・来客人数 … 1日に来店したお客様の数

・来店属性 … 来店されたお客様の性年代

・入店率 … 店舗前を通りかかったお客様のうち、来店に至った方の割合

・店内導線 … お客様の店内での動き。特定売場への立ち寄り状況や滞在時間など

・買上率 … 来店したお客様のうち購買された割合、特定売場に立ち寄った人のうち購買された割合 など

 

 

「買わなかった人マーケティング」の導入事例

 

買わなかった人マーケティングを導入し、売場の現状把握と改善を行った事例の一部として、靴販売店での実施事例をご紹介いたします。

 

こちらの靴販売店での買わなかった人マーケティング導入で分かったことは、店舗の来店客層は20代男女が多くを占めているものの、その層は何も買わずに帰ってしまっているのがほとんどで、実際の購買者層として挙がるのは40代以上女性である、という乖離が見られました。

また、来店した20代男女が売場で見ている商品は中高価格帯のスニーカーやサンダルなどが多い傾向にあることも明らかになりました。

 

この現状を踏まえ、商品陳列や展開場所の変更、多くのお客様を売場へ立ち寄らせるための演出など、売上につなげていくための売り場改善を行い、結果として、来店客の店内回遊を長くさせることや、商品を見るだけで終わらせずに購買を後押しすることに成功しました。さらに現在は20代向けの新たな店舗デザインも検討中です。

 

 

 

「買わなかった人マーケティング」を導入することで、「来店しているのに買わなかった人」の行動から課題を洗い出し、売り場改善や販促施策の実施・効果検証まで、PDCAを回していくことが可能です。この「買わなかった人マーケティングによるPDCA」は、今後ますますリアル店舗での売上を左右する重要な取り組みとなるでしょう。